2007年09月07日

剣法一羽流



 初期短編集。
 はじめて池波先生の現代小説を読んだ。
 どれも心温まる良いお話であったが、何か物足りなさを感じた。

 『土俵の人』はタイトル通り相撲取りのお話。
 華々しい立身出世物語ではなく、地味に十両に落ちるかどうかの瀬戸際の男が主人公。
 理想と現実、相撲の栄光と生活が生々しく交錯する。
 そして男は崖っぷちで境地に辿り着き、女はそれを支える。
 良い話だ。オチも綺麗。

 さて、先生の永遠のテーマと言えば、

「生と死……」

 に尽きるわけだが、やはりその『死』に関する概念が違う。
 時代小説と現代小説では、そこが大きく違う。
 相撲取りが相撲に負けても、例えそれが“真剣勝負”であっても、命をとられることはない。
 しかし剣士の戦いは、本当に真剣勝負である。
 重さが違う。

 この本のあとがきに「時代小説について」という先生の文章が引用されている。

「現代は『死』をおそれ『生』を賛美する時代である。『死』があればこそ『生』があるのだということを忘れてしまっている時代なのである」

 時代小説は、単に古いことを書く小説ではない。
 歴史の書き写しでもない。
 まさに『死』と『生』を身近に浮かび上がらせるものなのである。
 その意味で、やはり先生には時代小説が似合うなぁ、と再確認した次第。
タグ:池波正太郎
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2007年08月21日

失格とか合格とか

太宰「人間失格」、人気漫画家の表紙にしたら売れて売れて

 ……買いに行ったけど、売ってなかったなそーいや。
 もしかして売り切れだったのか。
 どーゆう表紙か見てみたいもんじゃのー。



 これか。
 まあ……人間失格というよりは……デスノートですが(笑)
 見かけたら買ってみるかなー。
 ジャケ買いというかジャケットのみ買い。
 買うまで生きていようと思った(それは晩年)。

 坊やだからさ。坊やだからフロオベルは所詮、芸術の美は市民への奉仕の美で有ると気付かなかった。陶酔は必要か。抑圧に頼るのか。逃避から生まれるのか。生まれるものがあるのか。あるのだろう。はい、失格。
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2007年08月13日

悪魔の百唇譜



 金田一耕助ファイルでは「悪魔の寵児」と「仮面舞踏会」の間。
 250ページぐらいでサラっと読める。
 現場が都会のせいか、いつものじっくりと雰囲気を盛り上げていくタイプではなく、地道に捜査して証拠を探していくタイプだ。
 自分は前者の方が好きである。
 地道なタイプは、きっと作者も得意でないのだろうと思う。
 話を膨らませられずに250ページ程度で終わってしまったのではないだろうか。
 単なる指定(連載雑誌の都合)かもしれんが。
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2007年07月16日

The Uplift War



 邦題『知性化戦争』、著者デイヴィッド・ブリン。
 架空の惑星で起きる戦争について、隅々まで精密に描いている作品。
 どうやらモロー博士の島の実験が上手く行った世界らしく、猿や鳥、イルカなどが知性を持っているのが特徴。
 それが作品をどのように盛り上げているかと言うと……まあ……それはお前……アレだよ。
 途中、あちこちに“日本語”とか“禅”とか出てくるんだけど、その辺りは微マイン。

 話の進み方が遅いのと、その割には描写自体に余り面白みがないのが惜しまれる。
 アイデアは良い(モローだが)が、それを活かせていない感じ。
 うーん。
 全体的にも微マイン。
 小道具や設定に懲りすぎ、ストーリーを面白くすることを忘れたか。

 あと、これは全く作者の問題ではないのだが、翻訳が軽薄で、薄っぺらい感じを助長している気がする……。
(※ネタバレ)
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2007年07月04日

男の系譜



 歴史上の人物について池波正太郎がたっぷり語った一冊。
 戦国篇、江戸篇、幕末維新篇の三篇に分かれており、それぞれ

★戦国篇
 織田信長、渡辺勘兵衛、豊臣秀吉、真田幸村、加藤清正、徳川家康
 番外編・戦国の女たち

★江戸篇
 荒木又右衛門、幡随院長兵衛、徳川綱吉、浅野内匠頭、大石内蔵助、徳川吉宗

★幕末維新篇
 井伊直弼、徳川家茂、松平容保、西郷隆盛

 となっている。
 ただ史料を集めただけではなく、その分析の仕方に池波流が冴え渡っている。
 その時代の背景をまず読み解き、武士の心、町人の気持を汲み取り、その時代の“空気”を嗅ぎながら書き綴る。
 戦国武将たちの激しくも立派な生き様。
 その戦国の血を受け継いだ男達が生きる江戸。
 動乱の時代に理想を追った幕末維新。
 それぞれの時代の人物が、手に取るように鮮やかに目の前に蘇る。
 これを魔術と言わずになんと言おうか。
 だから面白いし、成る程と納得させられるのである。
 この豊かな感受性が池波小説の肝なのだろう。
 本書は語り口が柔らかで読み易く、歴史物の入門にもなりえる一冊である。

 日本の男達は凄かった。
 俺達はこれを、
 「誇っていい……」
 このことである。
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2007年07月03日

味と映画の歳時記



 池波先生が、季節の味と映画について書くエッセイ集。
 食物はエピソードを織り交ぜながら情感たっぷりに。
 映画は自身の興奮を筆に乗せて瑞々しく。
 どの章も、
 「心の底から楽しんでいる……」
 このことである(池波締め)。

 味も映画も、心の底から楽しんで初めて……。
 つまりはそういうことなのである。
 それを教えてくれる一冊。
タグ:池波正太郎
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2007年06月27日

弟切草



 ゲーム原作者によるノベライズ……ではなく、再構築。
 公平と奈美が主人公で、ナオミが出てくるのは同じ。
 もちろん弟切草や洋館も……と、これ以上はネタバレ過ぎるので割愛。

 正体が分からないモノ。
 その正体不明さに畏怖するか、それとも分かり難くて感情移入できないか……。
 その危ういラインを巧みに辿った話。
 この手法は嫌いではない。

 ゲームをやった後に読むか、読んだ後にゲームをやると良いと思います。
 さて、蘇生編の続きをやるかな……。

タグ:弟切草
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2007年06月22日

鉄鼠の檻



 文庫、という概念を覆すような本である。
 試しに辞書を引いてみると

同一出版社から続いて刊行される、同一の型・装丁の叢書。特に、廉価で普及を目的とした小型本。文庫本。

 とあるが、この『鉄鼠の檻』は明らかに大型本。
 なんと総ページ数1359だ。驚け。
 普通の文庫本4冊分ぐらいある。
 値段も新書と同じくらいだ(笑)

 シリーズもの4作目ということだが、いきなり四つ目から読んだのには理由がある。
 友人から京極夏彦ものをまとめて譲ってもらったのだが、その中でも一際厚かったのがコレだ。
 他のも充分厚かったが『これを完読できれば他のは怖くないな』と思いたち、まずは一番分厚いのを読んだ、というわけである。

 奇怪な事件を文章量を気にせず精密に書いていくスタイル。
 怪奇小説、なのだろうか。

 山寺で連続殺人が起き、それを調査するというストーリーだが、この作品のテーマはズバリ言って“禅”である。
 おそらく入念に調べて書いたに違いないので(そうじゃなくて1300ページも書く気になるとは思えない)、禅の入門書としてどうだろうか(笑)
タグ:京極夏彦
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PROTECTOR



 ニーヴンの“ノウン・スペース・シリーズ”の一遍。
 滅び去る寸前のパク人(異星種族)が、とある目的を持って人類に接触する……というお話。

 あかん、書くこと忘れた。

 読書レビューが並んでいるのを見て推測した人もいると思うが、要するに読み終わって積んでいた本をまとめてレビューしているのである。まとめちゃいかんね、こういうものは。
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着想の技術



 「小説の書き方」をテーマに書いたコラム、エッセイなどをまとめた本。当然『そんなもん教えられるわけがねぇ』という芸術普遍の答えがあるに決まっているのだが、それはそれとして、書き方以前の“着想”についてまとめているところが流石筒井である。

 この本で書かれている“技法”にこだわったという作品は心当たりもあるし、読んだこともあるのだが、読んだ当時は裏に潜む実験的意図を汲み取れなんだ。ちゃんと計算ずくで書き、しかもそれを商業作品でやっちゃってたんだなぁ、と後からビックリである。

 商業作品でやることに意味がある、よね。
タグ:筒井康隆
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2007年04月05日

Shadow of The Hegemon



 「エンダー」シリーズの六つ目。
 一作目の『エンダーのゲーム』、二作目の『死者の代弁者』までは面白かったシリーズ。一作目は、バリバリに『宇宙の戦士』でありながら、そのアレンジっぷりで読ませた佳作。二作目は、英雄のその後を描く新境地を切り拓き、ややパワーは落ちたもののまだ“読める”作品だった。それが、6作目ともなると、最早……(笑)

 “戦争の天才”をテーマにしたお話だが、その天才の天才たる所以がどこに発揮されているかというと、ロシア批判(笑) 批判というか、悪口、誹謗中傷の類。延々と、色々な人物が入れ替わり立ち代りロシアの悪口を言います(笑) そりゃ、アメリカ人には受けるだろうけどさぁ!(笑)

「ロシアって国は、そういうもんだ」
「ロシア人は、KGB時代から何も学習してないの?」

ん、メェェェェリケェェーーーン!!

 まあ、SFの敵なんて火星人だろうがロシア人だろうが、別に構わないんですが。虚構だし。
 しかし“戦争の天才”を描くならば、もう少し発言に説得力を持たせた方が良かったのでは……(別に“インテリジェンスの天才”じゃないんだろうけど)。アメリカ万歳資本主義民主主義万歳の一本調子は正直辛いし、それを天才だと言われても困る(笑) ああ、アメリカに服従する国が天才で、服従しない国が悪なのか。わっかりやすいなぁー。

 下巻は読みません。
 さよならエンダー。

(ネタバレ)
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2007年03月16日

モロー博士の島



 表題作他、全部で6編を収録。
 人工ダイヤモンドがSFだった時代が有るんだ、と感慨深い「ダイヤモンドをつくる男」 なにしろ1895年の小説。人造ダイヤが実用化されるのはそれから半世紀以上も後のこと。
 発電機を神とあがめる男がもたらす事件を追う「ダイナモの神」は、話そのものよりも当時のアングロサクソンの有色人種に対する見方の方が衝撃的(笑) まさに事実は小説より……を地で行く。アングロサクソン、こええ!
 降霊術がテーマの「盗まれた肉体」、不思議な冒険を綴る「蜘蛛の谷」、おとぎ話「妖精の国のスケルマーズデイル君」といった作品が並び、最後に映画「D.N.A」の原作として有名な「モロー博士の島」が控えている。

 不幸な海難事故でモロー博士の孤島を訪れた男は、そこで身の毛もよだつおぞましい生物実験がされているのを知った。夜毎響く不気味な動物達の悲鳴は何を意味するのか? 読むとゲンナリできる佳作だと思います。人間とは、何か?
タグ:ウエルズ
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2006年09月13日

パーキー・パットの日々



 フィリップ・K・ディックの作品集。映画化されたSecond Variety(映画邦題:スクリーマーズ)、Paycheck(ペイチェック)そしてImposter(クローン)も入ってます。うーむ、短編がこんなに映画化されるんだから、たいしたもんだなぁ。それだけディックの発想が飛び抜けているってことなんだろう。

 いや本当に。
 読むたびに唸りっぱなし。

 そんな珠玉の短編集なわけで、どれをどう紹介して良いものやら迷うぐらいなのですが(笑) 今回は渋くFoster,You're Deadを紹介しておきましょう。ディックの鋭い視点が光る作品です。

 戦争が起こりそうな世界(アメリカ)のお話。戦争に備えるため、人々はこぞってシェルターを買う。新製品が出ればすぐに飛びつく。敵の兵器が発表されれば、それに対抗した商品がバカ売れする……。
 戦争は常に起こりそう。きっと、いつかソ連が核ミサイルを落としに来る。きっと、いつか……。

 なんとも現実社会を的確に表していて、肌寒くなるぐらいです。今、アメリカで起きていることを的確に風刺しています。「ソ連の攻撃だ!」「核戦争だ!」と言われると、ついシェルターを買いに行ってしまう小説の中の人々は大変に滑稽ですが、実は「テロだ! 911だ!」と言われると闇雲にブッシュを支持し、重い税金を貢ぎ、突如イラクを侵略し始めるアメリカ人の姿そのものなのです。

 ……おや?
 そう言えば日本でも「テロだ! オウムだ!」と言われると、国民は闇雲に……。いつの間にか知らない法律がたくさん可決され、消費税も上がるようです。この分だと、しばらく世界では「テロ」が続くことになっているんでしょう。

 さて、戦争を喜んでいるのは、テロを喜んでいるのは一体誰なんでしょうね?
 ディックはそう言っている気がします。


地には平和、主の悦びたもう人にあれ。
公共シェルター、入場料50セント。
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十角館の殺人



 無人島で宿泊する事になった男女が、殺人事件に巻き込まれて行くという、推理小説の基本にして王道を行く作品。外界から隔離された島に建てられた、奇妙な形をした“十角館”で起きる惨劇。集められた男女には、とある共通点が有った。それが明らかになった時、犯人の意図が浮かび上がる──

 そんなストーリー。
 推理小説をたくさん読んでいる人ほど楽しめるのではないかと。
 特に、アガサ=クリスティの



 は必読。
 元ネタのようなものなので、先にこっちを読まないと理解し難い、かも(笑)
タグ:推理小説
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2006年09月05日

格闘漂流・猛き風に告げよ―私説UWF伝



 UWFについて、語らねばならない。
 今、語らねばならない。


 覚悟を決め、全身全霊を持って──文字通りぶっ倒れるまで──UWFを見続け、書き続けた夢枕獏氏渾身のエッセイ。作者がUWFにのめり込む様子が克明に綴られている。人は、ここまで対象を好きになることができるのだ。対象? いや、これはUWFという概念、新たなものを目指して突き進む情念への畏敬であり激励だ。

 1988年に刊行された本書のあちこちで、繰り返し語られる、

「リングに二人が上がり、強い者の手が上がっても良いプロレス」

 それを夢の舞台だと作者は語っている。
 今。
 2006年の今、

「二人の男がプライドを持って上がり、勝者の手が上がる」

 舞台があるではないか。
 紆余曲折を経て、PRIDEが辿り着いた、その地点。
 UWFという思想はそこに生きている。
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2006年06月01日

剣客商売(9) 待ち伏せ



 いくらなんでも若輩者の俺が御大の作品をどうこう書くのは気がひけるので、かなり読んだにも関わらず報告が滞り気味なのであるが。今日ふと、机の左手に積み上げられている本の中にこのタイトルを見つけ、そろそろ観念して書かなくてはならないなあと丹田から気を搾り出した次第。

 剣士の誇り、武士道、人情、ドラマ、サスペンス。それらを縦横無尽に結び付ける痛快娯楽剣客浪漫。既に何度か紹介したシリーズであるので、くだくだしい説明は抜きにしてお気に入りの話のポイントをかい摘んで紹介。


「小さな茄子二つ」
 凡人ならばこそ鍛錬を積み、精進するべしという秋山翁の教えが胸に染み入る。

「討たれ庄三郎」
 覚悟を決め、相手に討たれる覚悟の男。
 その男には数奇な過去が有った。

「剣の命脈」
 これがこの作品集で一番好きなお話。
 これも決闘の話なのだが、なんと死病に侵されて満足に動くことも叶わぬ剣士が主人公。最後の力を振り絞り、剣士としての究極に挑む。

(ネタバレ)続きを読む
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2006年05月31日

The Rest of the Robots



 アシモフ御大のロボットもの作品集。
 バラバラに短編集などに収められていたのをまとめたもの。
 合間には当時の制作風景、書き記した意図などが挿話され、一冊通してアシモフのロボットを楽しむことができる。ロボット工学(いわゆる三原則)のロジックを駆使したものは少ないが、その基礎を見ることができる。

 なかでもGalley Slaveが秀逸。校正用ロボット、ロボット擁護派の技術者、古く職人気質な学者……。普遍的なテーマではあるが、ロボット万能説に自ら切り込むアシモフの姿勢に深く共感できる。SFとしての舞台立て、三原則という魅惑的なロジック、不器用な男の心理。ロボットを通して人間の心が見えてくる。それらのテーマが見事に絡み合う、小粋な作品である。
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2006年03月04日

秋山小兵衛翁曰く

「その年齢をして、まだまだ剣術にしがみついていたいのなら、それ相応に一歩ずつでも先へすすまなくては、生きる甲斐もないではないか。な、そうだろう。ちがうか……?」

──『小さな茄子二つ』より(「剣客商売9/待ち伏せ」収録)
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2005年09月22日

「パーカー・パイン登場」



 クリスティと言えば……まあ、パーカー・パインでないことは確かなようだ(笑)
 日常に不満を持つ男女がパイン氏の元を訪れ、なにがしかの“幸せ”を手に入れて終わると言うほのぼのとした日常話。血も凍る殺人が繰り広げられるポアロもの、ミス・マープルものとは異なる趣である──などと思っていると、後半の作品でガラリと変わってきてビックリする(笑)
 エジプト+殺人というのは、後のクリスティの作品への布石だったのかもしれない。なんというか、後半はもうパイン氏の必然性が薄くなってしまっている。かくて、パイン氏は歴史から姿を消したというわけか。そう思うと最後の「デルファイの神託」のエンディングは意味深である。
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2005年09月17日

ついに三連敗〜「スロー・リバー」

 ニコラ=グリフィスのネビュラ賞受賞作。
 ……が、分かりにく過ぎる描写と、どうにも肌が合わない部分に第1章でノックアウトされ、これでSF三冊連続敗退という結果に。うおーん(泣)

 前2つ(「消えた子供たち」と「落ちゆく女」)よりはマシなので、冷却期間をおいてから再挑戦するかもしれないけれど……。90年以降の賞はアテにならないなぁ。「エンダーのゲーム」が面白かったのはたまたまだったのだろうか。
posted by B.M(びいえむ) at 00:22| 東京 ????| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする